生活に困窮したときに、最低限度の生活を維持していくために機能するのが社会保障(セーフティーネット)であり、憲法第25条の理念に基づき制度化されています。社会保障の1つである公的扶助は社会保険とは異なり、保険料を納めるのではなく、税金を財源として無拠出の制度です。
生活保護保護は、最低生活の保障と自立の助長を図ることを目的として、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行う制度です。申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずに相談・申請をしましょう。
相談・申請窓口
現在お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。福祉事務所は、市(区)部では市(区)が、町村部では都道府県が設置しています。
(注)福祉事務所を設置していない町村にお住まいの方は、町村役場でも申請の手続を行うことができます。
(注)一部、福祉事務所を設置している町村もあります。
申請から決定までの流れ
1 申請
福祉事務所の窓口で「生活保護申請書」を提出します。
2 面談/訪問(申請日~数日後)
相談員もしくは担当のケースワーカーによる健康状態や生活歴などについての聞き取り、住まいの状態の確認が行われます。
3 調査・決定(申請日から14日以内)
聞き取りや資産状況等についての調査が行われ、保護を開始するかどうかの決定がなされます。保護が開始した場合、申請日にさかのぼって保護費が支給されます。なお、やむを得ない事情があるときには14日以上かかる場合がありますが、それでも30日以内に決定することが法的に定められています。
※もし保護申請が却下された場合には、その理由が書かれた書類が渡されます。内容に不服があれば「審査請求」をすることが可能です。
申請に必要な書類
実際に生活保護の申請をする場合には以下の書類を持っていきましょう。なお、特別の事情がある時には、口頭でも申請はできます。
・生活保護申請書
・資産申告書
・収入、無収入申告書
・(必要に応じて)一時金申請書 ←アパート等へ入居するための初期費用
これらの書類は福祉事務所においてありますが、こちらでダウンロードすることもできます。
また、以下の書類は申請に必要というわけではありませんが、持参すれば手続きがスムーズに進むと思われます。
・賃貸借契約書(賃貸アパート等にお住まいの場合)
・通帳(できれば記帳済のもの)
・印鑑
・本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)
・収入がわかるもの(給与明細や年金証書など)
※これらがなくても申請はできますので、申請したい場合はとにかく福祉事務所に行き、「申請に来た」と伝えましょう。
保護の要件等
生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提です。また、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。
・資産の活用とは、預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充ててください。
・能力の活用とは、働くことが可能な方は、その能力に応じて働いてください。
・あらゆるものの活用とは、年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用してください。
・扶養義務者の扶養とは、親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受けてください。
そのうえで、世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、保護が適用されます。
支給される保護費
厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として、以下のように生活を営む上で必要な各種費用に対応して扶助が支給されます。
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国民健康保険証について
生活保護の受給により国民健康保険の資格がなくなるため、お持ちの保険証は使えなくなります。保険証は発行した区市町村に返してください。ただし、勤務先の健康保険証や日雇健康保険証をお持ちの場合は、生活保護を受けてもそのまま使用できます。
保護を受ける人の義務
1 保護を受ける権利は、他人に譲り渡すことはできません。
2 年齢や体力に応じて、働くことが求められます。
3 支出を節約し、生活の維持、向上に努めてください。
4 家賃や学校に納めるべきお金を滞納してはいけません。
5 次のようなことが生じた場合は、速やかに届け出または申請をしてください。
(1) 働いて収入を得た場合は、必ず、収入申告書に給料明細書などを添えて提出してください。
(2) 就職したり、仕事をする場所が変わった場合(転職、転勤など)は、勤め先や仕事の内容について届け出てください。
(3) 年金を受給している場合や新たに年金を受給する場合は、収入申告書に年金証書、年金裁定通知、年金支払通知などを添えて提出してください。
(4) (1)(3)以外の収入については、収入のあった際に速やかにその内容を申告してください。
(5) 世帯の中で、転入や転出など異動があった場合は、速やかに届け出てください。
・住宅の契約を更新する場合
・入院、退院をする場合
・病気やケガで医療機関に通院する場合、通院を終了する場合
6 福祉事務所の指導や指示については、必ず守ってください。守らないときは、保護の変更、停止、又は廃止をすることがあります。
保護費を返還しなければならない場合
資力(資産等)がありながら保護を受けたとき
保有する不動産の処分、生命保険の解約により収入を得たり、過去にさかのぼって年金や手当を受給する場合は、既に受給した保護費を返していただくことがあります。
就労等の収入について申告がなかった場合など
就労、その他の収入(年金等)について、申告がなかった場合には、あとで支給済の保護費を返還していただきます。なお、不正な手段により生活保護を受けた場合には、加算金を含めて保護費を返還していただくことがあります。また、懲役又は罰金が科せられることがあります。
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