【医療サービスのしくみ】適切な医療を受けるために

医療

医療サービスのしくみ

  • 被保険者(患者)は保険者(市町村や組合・協会けんぽ等)に保険料を納めます
  • 保険者は患者へ被保険者証を交付し、保険給付がなされます。
  • 患者は被保険者証を提示し、医療機関と診療契約を結び、診察を受けます。
  • 医療機関は患者に対し、診察などの医療サービスを提供します。
  • 患者は医療費の自己負担金を支払います。
  • 医療機関は診察に要した費用のうち、患者の自己負担金を除いた金額を保険者へ請求します。
  • 医療機関から審査支払機関に提出する診療報酬請求書(レセプト)はその適正性についての審査を経て保険者へ送られます。
  • 保険者は医療機関の診療報酬請求書にもとづき患者の自己負担金を除いた金額を支払います。(その支払いは被保険者が支払う保険料および国・都道府県・市町村の公費から賄われています)
  • 医療費は審査支払期間を通じて医療機関に支払われます。

診療契約とは、民法第656条に定められた準委任契約によるものです。医療機関と患者の間で、診療に関する合意により成立します。医療機関は診療契約に基づき、患者の診療、健康の回復、維持、増進を図る義務を負います。同時に患者には、診療が適切に行われるよう、診療への協力義務などが発生します。この協力には医師等からの指示の順守義務などが含まれます。生活上の不安や経済的理由、家族関係の問題など、何らかの事情により医師等からの指示を順守できない状況にあるときは、適切に診療が受けられるよう医療ソーシャルワーカーなどに相談すると良いでしょう。

医療提供施設の種類と特徴

  • 病院
    20人以上の患者を入院させるための施設を有するところ
  • 診療所・クリニック
    患者を入院させるための設備を有しないところ、または19人以下の患者を入院させる施設を有するところ。
  • 助産所
    10人以上の入院施設を有しない、助産師が助産(分娩の手助け)を行うところ。妊婦、新生児の保健指導などを行うところ。
  • 地域医療支援病院
    救急医療の提供、施設やMRI等高等医療機器の共同利用、地域医療従事者の研修等の機能を通じ、地域医療確保のために地域医療機関の支援を行う病院(200床以上)
  • 特定機能病院
    高度な医療提供、高度な医療技術の開発・評価・研修を行う病院(400床以上)
  • 臨床研究中核病院
    国際水準の研究や医師主導治験の中心的役割を担う病院(400床以上)

病床の種類と特徴

  • 一般病床
    病気や怪我をしたとき、抱えていた病気が悪化したとき、確定診断や検査目的などの場合に入院し、集中的な治療やケアが行われます。急性期の治療を目的にしているため、長期の入院を前提にしていません。
  • 療養病床
    急性期の治療が終了し、病状は安定しているが、継続した医学的管理・処置が必要な人に医療と看護、介護があわせて提供されます。
  • 回復期リハビリテーション病床
    病気や怪我の発症早期から、歩行や排せつなど日常生活動作(ADL)の向上と社会復帰を目的とした集中的なリハビリテーションが提供されます。家族への介護指導、住宅改修に向けた家屋評価など環境に向けたアプローチ、生活課題の解決に向けた相談など、多岐にわたる支援を受けることができます。

・入院中のリハビリテーションは、1日20分~180分です。
・疾患により入院できる期間が異なります。
例)脳梗塞や脊髄損傷→150日、大腿骨骨折→90日

  • 域包括ケア病床
    在宅や介護施設で療養している人の入院、急性期治療を終えた人の継続的治療やリハビリテーション、在宅復帰の支援を行います。入院期間は最大60日ですが、病状や状況に応じて医師が判断します。
  • 緩和ケア病床
    身体的な痛みや精神的な不安、心理・社会的・スピリチュアルな痛みを和らげ、穏やかに過ごすための病床です。治癒を目的とした積極的な治療は行いません。苦痛の緩和を目的とし、医師・看護師・医療ソーシャルワーカーなど専門職によるチームが、その人らしい療養生活を全うできるよう支援を行います。
  • 感染症病床
    感染症法に規定する1類・2類および新感染症の罹患者を対象に治療が行われます。
  • 結核病床
    結核菌を他人へ感染させてしまう可能性の高い人、合併するほかの病気に対して入院加療が必要な人、結核治療に伴う副作用などにより入院が必要な人、結核に罹患している人を対象に治療が行われます。

在宅生活を支える地域資源

  • 外来リハビリテーション
    身体機能やADL(日常生活動作)の向上と拡大が目的です。医師の指示のもと理学療法士、作業療法士、言語療法士などの専門職が外来でリハビリテーションを行います。

医療機関で受けられるリハビリテーション(医療保険適用)は、大きく5つに分類され、利用にあたっては日数制限(算定上限日数)があります。治療日数の上限を超える場合は、必要に応じて介護保険などのリハビリテーションを受けることになります。介護保険のリハビリテーションを利用する場合は、かかりつけ医、ケアマネージャー、地域包括支援センターに相談しましょう。

  • 在宅療養支援診療所
    自宅において医師が診察、薬の処方、医療機器の管理、指示を行います。24時間連絡対応を受ける体制を整えています。訪問範囲は原則、医療機関から自宅まで16キロ圏内となりますが、訪問先については有料老人ホームやグループホームなども含まれます。
  • 訪問看護
    病気や障害をもった人が住み慣れた自宅でその人らしく生活できるよう、医師の指示により看護師などが自宅を訪問して、療養上の世話や病状の観察、リハビリテーション、相談援助などを行います。利用方法等は、かかりつけ医、ケアマネージャー、医療ソーシャルワーカー、訪問看護ステーションに相談してください。

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