高額療養費制度の仕組みや利用方法を解説します

医療

足を骨折して手術が必要になりました。リハビリで長期的な入院が必要と言われて、医療費が心配です。高額療養費制度とはどのような制度でしょうか?

shinya
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整理して、要点をわかりやすく解説していきます!

高額療養費制度とは

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額で収入に応じた上限額を越えた場合に、その越えた金額を支給する制度です。

<例>
69歳以下の年収370万円〜770万円の方が、医療費100万円で、窓口負担(3割)が30万円かかる場合

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出典:厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ 

⇨212,570円を高額療養費として支給し、実際の自己負担額は87,430円となります。

医療費の支給対象は、保険適用される診療に対し、患者が支払った自己負担額が対象となります。入院時の食費や差額ベッド代等は含みません。

申請方法は、自分が加入している医療保険者(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市区町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合など)に、高額療養費の支給申請書を提出、または郵送することで支給が受けられます。

医療保険者に申請後、支給までには受診をした月から少なくとも3ヶ月程度かかります。つまり、償還払い(上の例で言えば30万円をいったん窓口で支払う)になります。

しかし”限度額適用認定証”を提示すれば、窓口での支払いが収入に応じた上限額にとどめられますので、入院や手術、高額な治療等が決まった際には早めに医療保険者に連絡し、申請手続きを進めることをお勧めしています。

申請後、だいたい10日前後で自宅に郵送されます。必ずご確認ください。

年齢や所得に応じた上限額(ひと月)

上限額(ひと月)は、加入者が70歳以上かどうかや、所得水準によって分けられます。

また、70才以上の方には、外来だけの上限額も設けられています。

<69歳以下の方の上限額(平成30年8月診療分から)>

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出典:厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ

<70歳上の方の上限額(平成30年8月診療分から)>

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出典:厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ

一つの医療機関等で自己負担(院外処方代を含む)では、上限額を越えない時でも同じ月の別の医療機関等での自己負担を合算することができます。

この合算額が上限額を越えれば、高額療養費の支給対象となります。

さらに負担を軽減する仕組み ①世帯合算 ②多数回該当

①世帯合算

おひとり1回分の窓口負担では上限額を越えない場合でも、複数の受診や、同じ世帯にいる他の方(同じ医療保険者)の受診について、窓口でそれぞれお支払いした自己負担額を1ヶ月単位で合算することができます。その合算額が一定額を越えたときは、越えた分を高額療養費として支給されます。

ただし、69歳以下の方の場合は、2万1千円以上の自己負担のみ合算されます。

<例>
70歳以上のAさんとBさんが同じ世帯にいる場合(一般区分)

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出典:厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ

②多数回該当

過去12ヶ月以内に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から”多数回該当”となり、以下のとおり上限額が下がります。

<69歳以下の方の場合>

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出典:厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ

<70歳以上の方の場合>

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出典:厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ

※住民税非課税の区分の方については、多数回該当の適用はありません。

多数回該当の対象になる場合は、”医療費控除制度”の活用が選択肢に入ってくるかと思いますので、併せてご確認ください。

まとめ

高額療養費制度を利用すれば、ひと月あたりの医療費の支払いが収入に応じた自己負担限度額を超えた場合、超過した分は払い戻されます。

しかし、償還払い(いったん窓口で支払い、手続きのうえで後日支給を受ける)となるため、一時的な窓口の支払いも困難なケースが出てきます。
※医療機関によっては、分割払いやクレジットカード払いも可能です。

上述した通り、”限度額適用認定証”を提示すれば、窓口での支払いが収入に応じた上限額にとどめられますので、入院や手術、高額な治療等が決まった際には早めに医療保険者に連絡し、申請手続きを進めてください。

万が一、入院時や支払いの際に、”限度額適用認定証”が手元に無い場合は、医療機関の窓口で「申請中」あるいは「これから申請します」と伝えてください。

ほとんどの医療機関は、「自宅に”限度額適用認定証”が届いてから会計に来てください」と言ってくれると思います。

最後に、入院が長期化したり、先進医療を受けたりする場合は、高額療養費制度だけで治療費をまかなうのは難しい場合がありますので、貯蓄に加え、民間の医療保険の利用を検討すると良いでしょう。

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