最近、80代の両親が物忘れが多くなってきたと感じます。ひとり娘なのですが、遠方に住んでいて日常的なサポートができません。地域で何かサポートを受けられないでしょうか?
最近、膝と腰が痛くて歩くのが大変です…。家に手すりをつけたり、杖をレンタりできたりするのでしょうか?
介護保険制度について解説します!
介護保険制度とは
介護保険制度は、高齢化や核家族化の進行、介護離職問題などを背景に、介護を社会全体で支えること を目的として2000年に創設されました。
<介護保険制度の被保険者>
介護保険の被保険者は、65歳以上の方(第1号被保険者)と、40歳から64歳までの医療保険加入者(第2号被保険 者)に分けられます。
第1号被保険者は、原因を問わずに要介護認定または要支援認定を受けたときに介護サービスを受けることができます。
また第2号被保険者は 、加齢に伴う疾病(特定疾病※)が原因で要介護(要支援)認定を受けたときに介護サー ビスを受けることができます。
<特定疾病>
・がん
・関節リウマチ
・筋萎縮性側索硬化症
・後縦靱帯骨化症
・骨折を伴う骨粗鬆症
・初老期における認知症
・進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
・脊髄小脳変性症
・脊柱管狭窄症
・早老症
・多系統萎縮症
・糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
・脳血管疾患
・閉塞性動脈硬化症
・慢性閉塞性肺疾患
・両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
<サービスの利用者負担>
費用の1割または2〜3割です。
・2割になるケース
65 歳以上の第1号被保険者で、合計所得金額 160 万円以上の所得を有する方。
・3割になるケース
65 歳以上の第1号被保険者で、 合計所得金額 220万円の方。
※第2号被保険者は、所得に関わらず1割負担 です。
申請〜サービス利用まで
①申請する
介護サービスの利用を希望する方は、市区町村の窓口で「要介護(要支援)認定」の申請をします(地域包括支援センター (後述します)などで手続きを代行している場合があります)。
また、申請の際、第1号被保険者は「介護保険の被保険者証」、 第2号被保険者は、「医療保険の被保険者証」が必要です。
②要介護認定の調査、判定
■認定調査
主治医意見書 市区町村の職員などの認定調査員がご自宅を訪問し、心身の状況について本人やご家族から聞き取りなどの調査を行い ます。調査の内容は全国共通です。また、市区町村から直接、主治医(かかりつけ医)に医学的見地から、心身の状況に ついて意見書を作成してもらいます(市区町村から直接依頼)。
■審査・判定
認定調査の結果と主治医の意見書をもとに、保険・福祉・医療の学識経験者による「介護認定審査会」で審査し、どの くらいの介護が必要か判定します。要介護度は要介護1~5または要支援1、2のいずれかとなります。
また、第2号被保険者は、要介護(要支援)状態に該当し、その状態が「特定疾病 (前述)」によって生じた場合に認定されます。
③認定結果の通知
原則として申請から 30 日以内に、市区町村から認定結果が通知されます。
④ケアプランの作成
要介護1~5と認定された方は、在宅で介護サービスを利用する場合、居宅介護支援事業者と契約し、その事業者のケ アマネジャーに依頼して、利用するサービスを決め、介護サービス計画 ( ケアプラン ) を作成してもらいます。
施設へ入所を希望する場合は、希望する施設に直接申し込みます。要支援1・2と認定された方は、地域包括支援センター(後述します) で担当職員が介護予防サービス計画 ( 介護予防ケアプラン ) を作成します。
⑤サービス利用
サービス事業者に「介護保険被保険者証」と「介護保険負担割合証」を提示して、ケアプランに基づいた居宅サービス や施設サービスを利用します。
介護サービスの種類
※サービス内容の詳細については、厚生労働省のHP(介護保険の解説〜サービス編〜)を参照ください。
地域包括支援センターとは
地域の高齢者が健康で安心して暮らせるように、保健・医療・福祉の面から総合的に支援するための機関です。 市区町村や、市区町村が委託する組織により公的に運営されており、市区町村に1つ以上設置されています。
介護についての不安や悩みについて、安心して相談することができ、相談・支援は無料です。市区町村のホームページなどで、お住まいの地域の地域包括支援センターをご確認ください。
また、地域包括支援センターには、医療、福祉、介護の専門家である保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどのスタッフがおり、高齢の家族の生活に関することや介護のことだけではなく、仕事との両立の悩みなど幅広く対応しています。
スマートフォンで家族を見守り【介護用見守りカメラ みまもりCUBE】まとめ
介護保険制度は、社会全体で介護を支えることを目的としてつくられた制度です。ご高齢の方を含め介護や支援を必要とする方々、また、その家族にとっても介護保険制度は心強い味方になります。
しかし「よく分からない」「お金かかるの?」などと知識がない方やさまざまなルールや手続き、審査や更新など、初めて利用する方にはハードルが高いという印象があります。
基本的な相談・申請窓口はお住まいの自治体、または地域包括支援センターになりますが、外来受診や入院を契機に介護保険制度に繋がるケースも多いため、まずは、かかりつけの病院の医師や看護師、医療ソーシャルワーカーに相談してみてはいかがでしょうか。
★噛む力・飲み込む力が弱くなってきた方にオススメの配食サービスはこちら★
※やわらかさを3段階のレベルで調整しており、自分に合った程よいやわらかさを選べます。
コメント